桃の節句、そして二十四節気の啓蟄。
東京にも少しずつ春の気配が感じられる頃となりました。
新年度を前に、住宅・不動産税制改正の主なポイントを整理してみたいと思います。
*税制改正大綱は、改正が確定したことを示すものではありません。大綱の内容が現実のものとして効力を持つには、3月の国会審議により改正案が可決される必要があります。したがって、今後の協議次第では改正案が変更になる可能性もある点、ご了承ください。
ポイントとしては、住宅ローン控除の床面積要件の緩和とそれが中古住宅まで適用されること、災害危険区域が各種控除の適用除外要件となったこと、そして投資用不動産の相続税評価額の改正でしょうか。
〇住宅ローン控除
・住宅の種類に応じる控除に係る借入限度額、控除期間の変更
・床面積要件の緩和
・災害危険区域等の適用除外
将来の省エネ基準適合の厳格化を反映させたことで、住宅の種類と居住年による条件の差異が一層複雑化しています。
他方で、新築に限定されていた床面積緩和要件が中古にも適用されることになります。ただし、所得1,000万円以下、かつ、子育て特例を使用しないという要件が設けられます。また、一定の災害レッドゾーンは適用除外とする方針が定められましたが、この制限は住宅ローン控除だけでなく、他の不動産税制の一部にも導入されており、今改正の特徴のひとつといえます。
〇特定のリフォーム工事の税額控除(所得税・固定資産税)
・適用期限の延長
・床面積要件の緩和
一定の要件を満たすリフォームをして居住の用に供した場合の税額控除を適用することができる家屋の床面積要件を、40㎡以上(従前:50㎡以上)に変更します。ただし、その年の合計所得金額が1,000万円超の場合は、50㎡以上のままに据え置きます。固定資産税に関しては、下限だけでなく上限も240㎡以下に引き下げられているので注意してください。なお、所得税と違って合計所得金額1,000万円以下の要件はありません。
〇認定住宅等の新築等の場合の所得税の税額軽減
・適用期限の延長
・災害危険区域等の適用除外
入居日が令和10年1月1日以降の新築の認定住宅で、災害危険区域等内に所在する場合は、税額控除は適用できないこととします。ただし、その新築が本人、その配偶者または2親等以内の親族が5年以上居住していた家屋の建替えによるものの場合、または建築確認時点において敷地の全てが災害危険区域等外である場合は適用可能です。
〇住み替え支援税制の延長と制限
・適用期限の延長
・災害危険区域等の適用除外
こちらも災害レッドゾーンを適用から除外していますが、住宅ローン控除と違い、5年以上居住物件の建替えでも除外されます。
〇特定の事業用資産の買換えの場合の課税の特例
・適用期限の延長
・10年超所有資産の買換えの場合の制限
買換資産のうち、建物および附属設備については特定施設の用に供されるもの、構築物についてはその特定施設の業務遂行上必要なものに限定します。
〇住宅及びその土地の取得に係る不動産取得税の軽減
・床面積要件の緩和
・災害危険区域等の適用除外
・新築の認定長期優良住宅の場合(適用期限の延長)
〇新築住宅の固定資産税の税額軽減
・適用期限の延長
・床面積要件の緩和
・災害危険区域等の適用除外
災害危険区域等内の新築等に該当する場合は、税額軽減は適用できないこととします。ただし、その新築が本人、その配偶者または2親等以内の親族が、5年以上居住していた家屋の建替えによるものの場合は適用可能です。
〇投資用不動産を用いた相続税対策の制限
・貸付用不動産
相続等の課税時期前5年以内に、有償で取得または新築した一定の貸付用不動産の相続税評価額は、課税時期における時価とします。ただし、課税上弊害がない限り、取得価額の80/100としても差し支えありません。
・小口化不動産
一定の小口化不動産の相続税評価額は、課税時期における時価とします。なお、課税上弊害がなく、かつ、適正な売買実例価格等が存在しないと認められる場合は、取得価額の80/100を時価としても差し支えありません。
・適用時期
この改正は、令和9年1月1日以後に相続等により取得する財産に適用します。ただし、貸付用不動産に関しては、通達改正日前にその被相続人等が所有する土地(同日の5年前から所有しているものに限る)に新築(同日において建築中のもの含む)した家屋には適用しません。
令和8年度 税制改正大綱住宅・不動産関連の主な改正項目 – 物価高への対応と強い経済の両立を目指す税制 – | 月刊不動産 | 公益社団法人 全日本不動産協会












