街角景気的な話し6・・海外マネーの流入と、賃料が静かに動き始めた現場感

 先日、不動産市況の活況ぶりを示す興味深い記事がありました。
日本経済新聞によると、2025年の国内不動産への投資額は、米・不動産サービス大手の調査開始以来過去最高となる約6.2兆円に達する見込みとのことです。

要旨を整理すると、以下の通りです。

・日本の不動産への2025年投資額は、2007年の調査開始以来、過去最高となる約6.2兆円
・海外投資家による投資額は過去最高の約2.1兆円で、前年比2.3倍
・世界都市別では、東京が約4.3兆円と前年に引き続き世界第2位

国内不動産への投資額、2025年は過去最高6.2兆円 海外勢がけん引 – 日本経済新聞

背景には、日本企業が資産効率を高める目的で、大型の保有不動産を売却する動きが進んでいることが挙げられます。
それにより、市場に流動性の高い優良資産が供給され、海外投資家の目線が引き続き東京を中心とした日本の不動産市場に向いている状況です。

そのほかにも複合的な要因がありますが、インフレに伴う賃料上昇も重要な要素の一つと考えられます。

最近、取引先である賃貸管理を主業とされている方と情報交換をする中で、現場感覚として興味深い話を伺いました。

駅近物件の賃料上昇が進む一方で、駅から10分以上離れた物件であっても賃料が上昇傾向にあり、なおかつ比較的短期間で入居が決まるケースが増えているとのことです。加えて、全体として解約が少なくなってきているという肌感覚も共有されました。

これは、駅近物件の賃料上昇を起点として、需要が周辺エリアへと広がり、賃料上昇の波が段階的に波及している、いわば「賃料のトリクルダウン」とも捉えられる動きです。

投資マネーがまず都心部や一等地に集中し、その影響が賃料を通じて周辺エリアへと広がっていく構図は、過去の局面でも見られてきました。

数値として表れる投資額の増加と、現場で感じられる「決まりやすさ」や「解約の少なさ」。

この二つが重なって見えてくる現在の不動産市況は、一時的な熱狂というよりも、需給環境そのものが静かに改善している局面と読むこともできそうです。

こうした動きが、どのエリアまで、どの時間軸で波及していくのか。街角の変化を丁寧に追っていくことが、これからの不動産判断において、より重要になってくるように感じます。

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