土地の古と今(松濤)

 JR山手線「渋谷駅」に不動産調査で参りました。

今回の調査物件の所在地は松濤2丁目です。

このエリアには紀州藩徳川家の下屋敷・寄合肝煎(幕閣)長谷川家の屋敷があったようです。

二つを合わせると約5万坪となり、東京ドームが3個半入る広大な屋敷があったのですね。

東京都心を代表する高級住宅地の一つとして名高い松濤。

その地名の由来ですが、

このあたりは、江戸時代、紀州徳川家の下屋敷でした。
明治初期、下屋敷の払い下げを受けた鍋島家では、ここに狭山茶を栽培し、「松濤園」という茶園を開きました。

「松濤」とは、茶の湯の釜のたぎる音を、松風と潮騒にたとえた雅号で、この銘の茶が生産されていました。
松濤の名が地名になったのは、昭和3年のことです。

明治初期にはこの辺りに茶園があったのですね。

しかし茶園も東海道線開通による静岡茶の流入などで振るわなくなり、鍋島家が広大な屋敷地を政財界の有力者に分譲したようです。

そのような経緯も踏まえてか、都市計画法の用途地域も第1種低層住居専用地域・最低敷地面積200㎡と定められており、法的側面からも高級住宅地の品位が保たれるエリアのようです。

参考までに、最低敷地面積のハードルがどれくらい高いかと言いますと、

松濤2丁目近隣の公示価(渋谷26)が4,595千円/坪、

約60.5坪(200㎡)×4,595千円/坪≒278,000千円

東京都の平均年収が6,000千円前後のようなので、

なんと平均年収の約46倍です!

価格感も真に高級ですね。

写真は松濤2丁目近く松濤中学校前の通りですが、木々も生い茂り外壁もレンガ造りなので高級感漂いますね。

歩いていると、地名由来の如く木々を通り抜ける松風を感じました。

 

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